今夏の菅平は熱かった。
暑かったし、熱かった。
菅平の中心地であるT字路信号機付近は、ノースリーブに短パン、サンダル姿のラグビー選手たちがそぞろ歩き、セブンイレブン菅平店のレジには長蛇の列ができた。例年に比べて雨も少なく気温も高かったこともあり、ビッグゲームが実施されるサニアパークの駐車場は、県外ナンバーのクルマでいっぱいになった。コロナ禍の閑散とした同時期を知る者としては、その光景を見るだけで、胸が熱くなった。
昨年も同じ時期に開催したRCCAのイベント『ARIGATO SUGADAIRA』は、1日だけの開催だったが大雨。星空を観測するコンテンツは水に流れた。(イベント終了後の深夜、雲間に数個の星が出たことはスペシャルな経験だったが!)
今年は合宿チームも昨年からぐっと増え、それと同時に菅平難民(ラグビー以外の時間を持て余し、行き場に困った人々のことを、RCCAではこう呼ぶ)も多く発生すると予想されるから、昨年よりもオープンで、より多くの人々がリラックスして楽しめる場所を求めた。
白羽の矢が立ったのは、菅平プリンスホテルの敷地内、プリンスガーデン。いつもRCCAにアドバイスをいただき、菅平クラブハウス構想の初期段階からたくさんの協力を頂いている同ホテル専務の大久保氏と菅平プリンスホテル内で打ち合わせしている中の何気ないひと言が、『ウチ使ってもいいすよ?』。
大久保氏の後ろについていった先には、なんとも素敵な場所が。白樺と程よい緑の芝生のスペース、平らと段差のバランスも絶妙。向こうにはかわいらしいチャペルもあり、さながらヨーロッパの避暑地の雰囲気。椅子もテーブルもあるという。
すぐに気に入った我々は、この場をイベント会場にする方向で気持ちは固まっていった。
この話しと前後して、RCCAはやはり大久保氏の仲介でもうひとつ素敵なつながりを持った。この夏、菅平で独自のイベントを企画している安藤氏は、息子さんが現役の大学生ラガーマン。菅平サマーフェスと題するこの企画は、大学生や高校生のラガーマンを持つ保護者有志によって運営、実行されるイベントで、安藤さんが勤める株式会社富松の全面協力のもと、社長の富川さんとともにクラウドファウンディングと並行してイベントを実現させようとしていた。
さらに安藤さん、富川さんらは、イベント企画だけではなく、菅平に土地を購入して2拠点生活をも目論んでおり、まさにRCCAと考え方が一致している。
すぐに意気投合し、都内でも数度打合せを経て、菅平プリンスガーデンにおいて8月10日から8月27日の18日間、菅平ラグビー交流拠点RUGBY COMMUNEとして運営のお手伝いをしてくれることで合意した。
その他にも、企画に賛同してくれている髭の鹿タコスでジビエ屋台の運営と菅平観光協会の名刺も持つ石畠さんやRCCAメンバーでカスタムビーサンを手掛ける吉川さんなど、多くの人々の協力を得て、企画は実現に向けて動き出した。
RUGBY COMMUNEは、菅平クラブハウス計画をミニマムで表現する企画で、菅平でラグビーをする、『選手のフアン、父兄、OB、レフリー、家族、ペット』などなど、実際にプレーしないけれど、応援の合間にリラックスしてもらえる場所を作ることが目的。
そして、RUGBY COMMUNE運営期間中に、昨年同様ARIGATO SUGADAIRAを、8月19日と20日の2日間だけ実施し、菅平への感謝を形にする。かくして、手作りのイベントは高校生の合宿がスタートするタイミングである8月10日からスタートした。
施設内では、
髭の鹿タコス
カレーライス、
麻婆茄子丼
肉まんあんまんエビチリまん
クレープ
カスタムビーチサンダル
菅平ラガービール
などなどを販売。
その他にも、朝どれトマトやらレタスやら、自由だけど魅力的なものがゲリラ的に販売され、そこに集う人々が場の雰囲気を作っていくという、我々が目指す雰囲気の毎日となった。
ARIGATO SUGADAIRAは、菅平でビッグマッチが行われる週末の2日間に設定し、選手以外の人々による『アフターマッチファンクション』のようなコンセプトで、行われた。
残念ながら、1日目は菅平名物の夕立により中止となったが、それを差し引いてもRCCAが目指すクラブハウス像に近い雰囲気を作り出すことができたイベントであり、実際に建設するクラブハウスでも、この軸は必ず継承すべきと改めて確信した。
RUGBY COMMUNEとARIGATO SUGADAIRA。
18日間に及ぶ長丁場のイベントではあったが、様々な新しい出会いと再会を生み出した場になった。
そして、菅平のポテンシャルを改めて感じるとともに、すでに予定地も購入している菅平クラブハウス建設の実現に向け、想いを新たに前進するきっかけとなったことは間違いない。
この場に来てくださった多くの方々、協力いただいた方々、皆さんの力で無事18日間に及ぶイベントを終わることが出来ました。
この場を借りて御礼申し上げます。
さあ、9月からはラグビーワールドカップ、高校、大学シーズンのスタート。
4年に1度のBIG RUGBY YEARを、みんなで楽しみましょう。